この間、60歳の方と会食させてもらった。大企業の役員で、いまも現役バリバリ、活躍されているのだが、おおらかな人柄で、気さくでとても話しやすい。(一方で、人を直感的にとらえているというか、すべて見通されているような鋭さもまた素敵)
この方には、葬式で弔辞を読み合うと決めている大親友が2人いると。お二人とも、大学時代からの友人で、それぞれ、会社の代表をしながらも、プライベートではライブを開催して、自身ででるなど、かなりのダンディズムを発揮されている両輪イケオジの皆様だった。
知り合ってから40年たった今でも、それぞれが社会で活躍されており、プライベートの質も高め合う仲とはなんとかっこいいことか!そういう人生、そういう漢でありたいものだ。
ここからが本題。今回は...
『30年後を想像してこのフィルムを創る』
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大学の友人 まっつん
この間、大学時代の友人まっつんを撮影した。
理工学部だったが、理系独特の嫌味もなく、変に尖っていることもなく、ほんとにいい奴。そこから10年くらい。今もずっとじんわり仲良くさせてもらってる。
まっつんと僕の最大功績は、とある飲み会を開催したこと(笑)まっつんが連れてきた女性と、僕のつれてきた男性が、なんと結婚した!これは嬉しかったね。
まっつんと久しぶりに飲んだ時、僕が、このインタビューを始めたと話すと、最初は怪しそうに、「なにそれ、恥ずかしいしやらないよ笑」くらいのテンションだった。
ただ後日、「やる気になった?」と聞くと、「そろそろ撮影してもらおうかな」と快諾したので、なにかあったな?と思ったら、奥さんが妊娠されていた。
まっつん夫妻のインタビューフィルム
お時間の許す時に、ぜひ見てみてほしい。
個人的にも、非常に気に入っているフィルム。旦那まっつんの、ちょっと酔って加速しているポンコツ具合と、奥さんのしっかりしたところ、そして、なにより産まれてくる君へのあふれる愛情の様子。この対比が見事だ!笑
いままでのフィルムのなかでも、一番ニヤニヤして編集していたと、妻から言われた。
どんなことを考えてフィルムを創っているか
動画を撮影してから、家で1人 動画編集をするわけだが、今回は元動画の素材尺が45分ほど。
・オフライン編集(重要部分を選定して、不要な部分のカット)
・テロップいれ
・テロップ文字の確認
・BGMと映像の調整
etc...
完成までに、動画は10回以上見返す。
結構な時間を、動画の中の2人と向き合うわけだが、今回の場合、動画を編集している時に、僕がイメージしているのは、約30年後の世界だ。
「誰に届けたい?」がコアになる。
今回の「誰に」は、この動画の夫婦ではなく、まだ産まれてない赤ちゃん(通称ソラマメちゃん)、君だ。
君は成長していくが、言葉を理解できるくらいでは、まだまだこの愛情は理解しきれないだろう。
言葉を覚え、友人ができ、いろんなコンテンツに触れながら、自分自身でも恋愛を経験をする。そのうちお酒も飲めるようになって、ポンコツな人も何人もみていく(笑)いきなりひらく世界に対して時折失敗しながらも、気づけば社会に適応している。そして、結婚や自分の子供を意識するようなオトナな恋愛をするようになる。
このあたりになって、このフィルムの味が理解できるようになると思う。
親の心境を、考えるでもなく、心からずっと理解できるようになっている。お父さんの不器用さも、お母さんの愛情も、涙も。
そんな君がこの動画を見ている。
笑ってくれるといいな、泣いてたりするかな?親の名前で検索したらこの動画は出てくる(「検索」がまだ生きていれば)けど、まだ理解しきる前にこの動画をみていたら、印象ってその後変わるものかな...?
そんな30年後の時間をイメージしながら。僕は今、このフィルムを創っている。
フィルムをみた後、まっつんより
フィルムを送った時、まっつんから返答をもらった。
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自分の動画をみることなんて、普段ないから、実際、恥ずかしさも結構あると思う。笑
そこから、6日後たって、こんな連絡をくれた。
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ちょっと落ち着いて、客観視できることもある。
フィルム、つまりは、自分の日々の貴重さを形に残すことがどれほど大事か。これを最高だったと実感してくれていて、僕も嬉しい。
インタビューフィルムの目的
まっつんが、最初そうであったように、普段、自分たちの1日1日に希少性など感じないだろう。
でも、この何気ない日の2人を撮影したフィルムが、30年後の君への “人生” 単位のプレゼントになりえると考えたら、この瞬間が、なにもしなければツルッと流れ去っていくこの今が、何よりも貴重だと思えてこない?
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目を瞑って明け方の太陽の光を、肌で感じてみる。本当に絶妙に、ジリジリと、心地よい温かさを感じることができる。ただ、太陽がちょっと地球に近かったら?遠かったら?熱くて、家から出られなかったかもしれない。酷寒で、息をするのも辛いかもしれない。
こんな絶妙な距離で生きているのは奇跡だと思った。
と、同時に、当たり前だとも思った。
なぜなら、この太陽との距離だからこそ、我々のような生き物が繁栄できているからだ。
一過性の努力でなせることは、小事だろう。
途方もないレベルの、逆算したら気が遠くなるような、天文学的な大きな成果へは、「努力」という領域を超え、そのスタンスが「当たり前」となり、年月を積み重ねて、やっとたどり着けるのではないか。
そこに、頑張っている、頑張っていないという概念は無い。
結婚式の日とか、誕生日とか、大会/イベントとか、それが「特定の1日」だとわかりやすく貴重な日と捉えやすい。
でも、僕の持論は、それ以上に、日々の当たり前な時間のほうが貴重だ。
この日々の積み上げが、僕らを創る。
あなたの今を、フィルムに残しませんか?
KAIDOH’S FILM
2024.09.07